怪物


寺山修二の文章に「ダンサーズイメージ」と言う馬が出でくる。父馬の「ネイティブダンサー」からの類推命名で、同じく産駒の「ダンシングキャップ」にも受け継がれる。このあたりは「踊り(子)」つながりで、競馬血統的には、同じ産駒でも一時期主流になりかけた「Mr. Prospector」系とは異なり、マイナー血統と認識される。そして、この系統の末裔に当たるのが、今回のハナシの主「オグリキャップ」である。それまでの踊り名称は影を潜め、個人名などと下賤な(馬主様ゴメンナサイ)冠名を拝領したコイツは、突然変異の如く、地方競馬(笠松)で勝ち続け、中央に殴り込みをかけ、G1を4勝する。特に引退レースとなった有馬記念で、衰退著しいと目されている中で勝った時は、見ていたTV中継の画面が不本意ながらぼやけてしまった…。筆者にとっての1頭を挙げるとしたら、間違いなく「オグリキャップ」である。晩年、以前の優駿スタリオンステーションで放牧されてた時は、毎年のように出かけて行き、数時間眺めていたのだが、繋養先が変わり、一般公開されなくなってからは、気には掛けていたのだが、2010年の最期まで、姿を眺めることができなかった。特に、墓と言っても、この下で眠っていることは無さそうだし、その場所は以前早田牧場で、ナリタブライアンの記念館が有ったところと記憶しているのだが、そんなことはどうでもよく、ただ、この場所で、筆者の記憶に深く刻まれた姿を思い浮かべるだけであった…。

Posted by maasaki

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